
プロのためのクリスマスラッピング
付加価値を演出する
ラッピングアイデア
クリスマスシーズンに焼き菓子を演出するラッピングをご紹介します。
ラッピング専門家の内野未紗先生に、プロのためのラッピングアイデアを伺いました。
クリスマスの代表的なお菓子の包装を参考に、ラッピングでよくあるお悩みの解決方法をご提案します。
\ 内野先生に教わる /
プロのためのラッピングQ&A
Q.最近の小規模パティスリーやカフェの現状をどう感じていますか?
A.原材料、資材の価格高騰に対応するには、包装の面でも工夫が必要。
今は原材料や資材が高騰している上に、コンビニなどのスイーツもとてもクオリティが上がっていますよね。一方で、労働時間を短くしないといけない、など対策すべきことが多く、苦労されている方が多いと思います。
小さなお店で、包装の面で大切なのは、まず仕入れる資材の数を少なくして複数の商品で共用できるようにすることだと思います。
包装紙やリボンは綺麗に包めるようになるのに時間がかかるので、掛け紙やゴム、結ばないリボン等を活用して、誰でもできるラッピングに仕立てるのがおすすめ。陳列時も、実際のお菓子がより見栄えするように工夫するのが大事です。
脱酸素剤や乾燥剤も正しく使えば効果が出て、おいしさを保ちながら賞味期限が延ばせるので、一度にたくさん作り、在庫を持って仕込み回数を減らすことが可能になります。
Q.おいしいお菓子が作れても、ぴったりの資材を見つけるのに苦労するという方が多いですが、どうすれば?
A.お菓子を開発する段階で、資材探しも同時に行うことが大事です。
先にお菓子を完璧に仕上げてから、そのお菓子にぴったりの資材を既製品から見つけるのはとても大変です。ですのである程度は資材の候補を持った状態で商品を開発することをおすすめしたいと思います。
資材が冷凍できる材質なのか、また脱酸素剤が使えるか、など基礎知識がとても大切ですね。
富澤商店さんだと小ロットで購入できて、お試し購入も可能です。
一般向けサイトの方ではラッピングレシピも型に合わせて提案しているので、定番のお菓子であればぴったりのサイズは見つけやすいはずです。
資材メーカーさんが運営されている通販サイトだと送料無料になるまで資材をたくさん買わないといけないことが多いですが、、富澤商店さんは製菓材料や消耗品も一緒に注文できるので送料無料条件もクリアしやすいことが小規模のお店には心強いです。お菓子の開発段階で資材もお試し購入して、包装も含めて試作されるのがおすすめです。
Q.繁忙期を迎える小さなお店ができる工夫はありますか?
A.シーズンを演出する装飾は、付け外ししやすいものがおすすめ。
ハロウィンやクリスマス、バレンタインなどのシーズンには、かわいい資材を使って陳列する商品を華やかにしていきたいところです。しかし、資材の選び方を間違えると廃棄ロスが増えてしまいます。
例えば、クリスマス柄などのデザインの入ったガス袋などはとてもかわいいのですが、12月25日を過ぎた瞬間に商品価値がなくなります。
裸のお菓子を包む一次包装である以上、中身を開けて入れ替えるのは不衛生ですし、無駄な人件費もかかりますので一次包装は無地を使い、装飾的なラッピングはつけ外ししやすいものが良いですね。
ハロウィンが終わればクリスマスへ、クリスマスが終わったら和風のお正月向けへ、など、装飾の付け外しができれば廃棄ロスの発生を最小に抑えることができます。
\ 内野先生に教わる /
シュトーレン(ホール)の
ラッピング
お店の販売にも使える、本格的なラッピングです。日持ちしやすいようにガス袋、脱酸素剤でシーラーしています。
クロスは包装紙と違って簡単でやり直しも効くので、忙しいクリスマス前にお手伝いにきてもらう人にもすぐに手伝ってもらいやすいラッピングです。
このラッピングに使用した
ガス袋
脱酸素剤やアルコール揮散剤などの鮮度保持剤と一緒に、食品を入れて使用します。
脱酸素剤を使用する場合は必ず袋の口を熱シーラーで密封する必要があります。
\ 内野先生に教わる /
スノーボールクッキーの
ラッピング
スノーボールクッキーをマチ付きの袋に入れて上にヘッダーをつけることで高さが出て商品価値が上がるラッピングです。
掛け紙の幅と袋の幅が同じものを選ぶと簡単です。シンプルだけにシールをまっすぐに貼るなど、基本的なところをきちんと守ることで清潔感が出ます。
このラッピングに使用した
個包装袋
このラッピングに使用した
掛け紙
\ 内野先生に教わる /
ミニガトーショコラのラッピング
背面がくすみカラーの袋に入れることで周りに額縁のような視覚効果が得られて商品が大きく見えます。
シールはあえて右か左に寄せることで、陳列した時にずらして並べるとおしゃれに見えます。リボンはサテンリボンをぐるっと巻き付けて止めています。
このラッピングに使用した
個包装袋
このラッピングに使用した
シール
ラッピングを教わった
内野未紗先生 プロフィール
お菓子の安全な包装と食品表示作成の専門家。
現在は、お菓子の包装と食品表示に特化したスクール「wrapped(ラップト)」を運営。
日本菓子専門学校在学中に製菓衛生師を取得し、卒業後はノリエット等の都内の洋菓子店・パン店で約7年間、10店舗以上で販売と包装の現場経験を積む。「お菓子のおいしさは包装で決まる!」という考えのもと、乾燥剤・脱酸素剤の使い方、賞味期限の決め方、食品表示の作り方などを、根拠ある知識と技術が学べる講座を開講。累計受講者は3,000名を超える。
内野先生に聞く、ラッピングエピソード
内野先生に聞く、ラッピングエピソード
ここ数年、友人を訪ねてロサンゼルスに何度か足を運んでいます。現地のお菓子屋さんに行くと日本にはない自由な発想で素敵なラッピングをしていて、見るたびに刺激を受けています。ビビッドな色使いや個性的なシールの形などもアメリカならではで見ているだけで楽しいです。
現地の友人に、ガイドブック等に出ていない地元の方に人気のあるお店を教えてもらったり、製菓材料やラッピング用品を見に行ったりするのも楽しみのひとつで、学生以来20年ぶりに英語の勉強を再開し、毎回現地で奮闘しています。
クリスマスラッピング&
おすすめ素材カタログ
クリスマスラッピングにおすすめのアイテムをご紹介します。





